謙虚な精神

 一昨日の毎日新聞、松宮秀治「芸術崇拝の思想──政教分離とヨーロッパの新しい神」白水社への三浦雅士の評、冒頭「きわめて興味深い著作である。」

「言ってみれば、現代芸術はポストモダン以降、サブ・プライムローン問題を恒常的に抱えているようなもの。いつ何時、現代芸術のすべてが粗大ゴミになるか分かりはしない。」

「現代芸術は思いあがったカジノ資本主義とともに自滅しつつあるわけだ。耳を傾けるべき見解である。」

 松宮秀治の主張は「『芸術』『技術』『科学』が未分化のままにあった『アルス』の状態の謙虚な精神をふたたび自己のものとするとき再生の展望が得られる」だろうというもの。

 山崎正和が前世紀に書いていたことと同じだ。私もそれに深く同感する。それにしても、芸術・技術・科学が高度に統合された作品が、北一明氏の茶碗ではあるまいか。

 昨日、沼津市の本屋に「幻影城の時代 完全版」平積。手に取らず見つめただけ。本当に自宅へ送られてくるのだろうか。ドキドキワクワク。