昨日ふれたデューナ・バーンズ「夜の森」の訳者野島秀勝の著書「迷宮の女たち」河出文庫1996年収録「日記の女 アナイス・ニン」を読む。
「ダイダロスの美しき末裔アナイス・ニン」
「アナイスが愛した男たちはすべて彼女の『日記の迷宮』の捕囚となったのである。」
「アナイスならいうだろう──『地獄、それは私だ』と。」
アナイス・ニン「ヘンリー & ジューン」角川文庫1990年から。
「私たちを、開放してくれたのは、ドストエフスキーの際限もなく贅沢な言葉だった。」129頁
贅沢な言葉が、「夜の森」にも「迷宮の女たち」にも際限もなく使われている。「文庫版のためのあとがき」で野島は書いている。
「女が男の成熟する場所であるとすれば、男は女の成熟する場所であるにちがいないと、頑なに信じているばかりである。これほど簡明、現実的な性差の定義がほかにあろうとは思わない。」