初日

 「新春 粋な作品展」初日。

 昨日買った寺山修司「花嫁化鳥」中公文庫は、表紙絵が蕗谷虹児の「語らい」1948年で、それがとてもステキ。黒田杏子「俳句と出会う」小学館ライブラリーで三橋敏雄の句

  かもめ来よ天金の書をひらくたび

 に出合う。かもめ……寺山修司ではないか。

  あおぞらにトレンチコ−ト羽撃けよ寺山修司さびしきかもめ  福島泰樹

  「花嫁化鳥」解説で三浦雅士は書いている。

「寺山さんは、現実は虚構で、虚構は現実という人間に与えられた条件を強調したが、同時にそれが、人間の哀愁にほかならないことをも示しているのである。」

  古本屋の店頭にさえ時はすぎ陽灼けせし背の啄木歌集  福島泰樹

 お昼前から次々と来館者。予想が狂ってうれしい。