味戸展初日

 「芸術新潮」2月号、岡山県津山市棟方志功・柳井道弘記念館の広告コピー。「遠くへ去った棟方志功/今戻ってきた棟方志功/でも今のままでは忘れ去られるであろう」。そして説明文。

「『世界のムナカタ』の名前を尋ねると50代以上の人には常識だが、40代の人では少し怪しくなり始め、美大・芸大の学生に聞くと『だれ?』と言う返事が返ってくることもある。」

 村上隆松井冬子椹木野衣(さわらぎ・のい)の名前を尋ねると美大・芸大の学生には常識だが、50代以上の人に聞くと「だれ?」と言う返事が返ってくるだろう。

 「味戸ケイコ」の名前を知らなくても絵を観て、ああ観たことがある、という方が多い。名前よりも作品で記憶に残っている画家が味戸さん。今回原画を初めて観る人は鮮烈な印象を刻む。再び観る人は、ガラス板で仕切られない原画に一際鮮やかな印象を刻むだろう。