うたかたの日々

 昨日観た浜いさを氏の作品が尾を引いて、氏から恵まれた「白い人形・白い言葉」日本きゃらばん文庫1982年2刷を再読。冒頭。

「一般の人は布の人形を軽く見がちで、その逆に例えば胡粉仕上げのものなどは何でも芸術と称してしまういたって横着な気風がある。(略)一方絵画は額に入りさえすればどんなものでも一応美術とくる。これは一体どうしたことだ。」

 まったくね。

 午後雨の中を初めて来館された男性。味戸さんの絵から受けた深い感動を述べる。綺麗なだけの絵が溢れているなか、味戸さんの絵は心に迫ってくるものがある、と縷々語られる。また観に来ますと。うれしい。

 ブックオフ長泉店で二冊。田中克彦「国家語をこえて」ちくま学芸文庫1998年3刷、ボリス・ヴィアン「うたかたの日々」ハヤカワepi文庫2002年初版、計210円。後者は「日々の泡」と訳された単行本は持っている。「うたかたの日々」のほうがしっくりくる。