私の一冊

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。「文藝春秋 特別版 一冊の本が人生を変える」文藝春秋2005年、鎌田慧「ドキュメント 屠場」岩波新書1998年初版、計210円。やっと105円で入手できた。嬉しい。

 昨夜風呂に入る前に「これでよし!」と踏ん切りのつく文章に出合いたいと「一冊の本が人生を変える」中のエッセイ「私を変えた一冊、支えた一冊」を読む。第一生命相談役櫻井孝頴の「ヘミングウェイ日はまた昇る』」に目が留まった。

「二人はマドリード市街をドライブに出かけた。タクシーの後部座席に並んで、女はゆったり男にもたれる。まぶしい日ざしの下で女は『ねえ』と男に呼びかかける。『あたしとあなたとだったら、とても楽しくやっていけるはずなのに』。そうだなと男は答える。『そう考えるだけでも楽しいじゃないか』」

 以上、小説の結末部分を紹介して彼は書く。

「白か黒か結末を迫っているのに、どちらでもないストップ・モーション。だが、何度か読み返す内に、つかの間の幸福感こそ人生という第三の選択肢が見えた様な気がした。」

「すぐ結論を求めるばかりが能ではない。判断を宙に浮かす、保留も立派な結論だろう。自分にだけではない、家族や職場の人達に性急にイエスノウを迫れば、苦痛を強いるだけだ。」

 この一文に気持ちがすっと楽になった。本を閉じ風呂に入って寝た。

 十時過ぎに横浜から白砂ファンのご夫婦が来館。その後は子どもから年配まで老若男女の皆さん。て十把一絡げかよ→俺。で終わらない。午後、来館されたミュージシャンの方々、夕方興に乗り、白砂氏のパーカッションと篠笛の競演。うーん、美女の演奏にシビレタ〜〜。彼女、山田路子さんのパワフルな演奏には興奮脱帽平伏。