難しい

 昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で三冊。桜庭一樹赤朽葉家の伝説東京創元社2007年4刷帯付、島田荘司「帝都衛星軌道」講談社2006年3刷帯付、武藤康史「旧制中学入試問題集」ちくま文庫2008年2刷、計315円。

 武藤康史「旧制中学入試問題集」ちくま文庫、「まえがき」から。

「逆に言えば、そういう入試問題を見渡せば昔の小学生の常識や教養のほどが手っ取り早くわかるのではないかとも思った。明治以来の入試問題集を集め、年ごとにまとめてみたらどうだろう?」

 ぱらぱら読んで驚嘆、脱帽。こういう切り口、視点気づきませんでしたわ。昭和十(一九三五)年の国語の項。

「この年、三浦綾子旭川市立高女に、中井英夫・嶋中鵬ニ・永井道雄は東京高師附属中学に、(略)田村隆一北村太郎加島祥造東京府立第三商業学校に、塚本邦雄滋賀県立神崎商業学校に(略)入学した。」151頁

 多士済々が一並び。巻末の新旧校名一覧、「静岡県沼津中→沼津高」は沼津東高の誤りかな。それにしてもこの問題集、逃げ出したくなるほど難しい。途中で投げ出した。閑話休題。この本のような新たな視点、切り口の本といえば、最近では佐藤和歌子「間取りの手帖 remix 」ちくま文庫、帯に「思いがけない切り口」とある持田叙子「朝寝の荷風人文書院、河内一郎「漱石、ジャムを舐める」新潮文庫あたりか。出久根達郎の解説。

「すなわち本書は、漱石の食卓から眺めた漱石文学論なのである。」

 ブックフ長泉店で三冊。桜庭一樹「私の男」文藝春秋2007年2刷帯付、真藤順丈「庵堂三兄弟の聖職」角川書店2008年初版帯付、横山秀夫「震度0」朝日新聞社2005年初版、計315円。「私の男」は女友だちへ、「震度0」は叔父へ贈呈予定。