雨なので/雨でも

 雨なのでバスに乗る。当たり前だけど楽。ブックオフ長泉店はセールなので雨でも徒歩で行く。奥泉光「神器 軍艦『橿原』殺人事件(上・下)」新潮社2009年初版帯付、倉橋由美子「酔郷譚」河出書房新社2008年初版帯付、三冊で1000円。他に島田荘司「溺れる人魚」原書房2006年2刷、古川日出男「ロックンロール七部作」集英社2005年初版帯付、計210円。荷物は重いが心は軽い。雨の中、トコトコ歩く。

 先だって女友だちが読んでみて、と置いていった本、荒俣宏=編著「虹色草紙」みき書房1994年を読む。「見たこともない綺麗な本」というだけあって明治大正昭和初期のそれはそれは綺麗な多色摺り木版画本を紹介している。私も二十数巻を所持している明治二十年代に出た雑誌「美術世界」や楊洲周延(ちかのぶ)の木版画など多彩な本だけれども、凄いとは感じなかった。綺麗と凄いと美しいとは重なり合う部分と重ならない部分とがある。綺麗で凄くて美しいが、最高だけれど、そんな木版画は滅多矢鱈にはお目にかかれない。でも、それの一端を、今回の企画展「息を呑むとびっきりの木版画展」でうかがい知ることができる。誰でも。

 きょうは用事があって早仕舞い。