倍音

 昨夜、今年初めてブックオフ函南店へ自転車で行く。笠井潔「魔」文藝春秋2003年初版、辻真先「沖縄軽便鉄道は死せず」徳間書店2005年初版、中野美代子「龍の住むランドスケープ福武書店1991年初版、アルフレッド・ベスター「虎よ、虎よ!」ハヤカワ文庫2008年初版、計420円。長泉店の棚はガラガラだけれど、函南店の棚はすし詰め満載。選ぶのに難儀。きょうも行きたいほど。きょうは無理なので長泉店へ。入ったとたん、友だちから声をかけられた。あちらはCD、こちらは105円。なんか恥ずかしい気分。東(あづま)直己「挑発者」角川春樹事務所2007年初版帯付、東野圭吾「トキオ」講談社2002年初版帯付、計210円。

 きょうは開館。静岡新聞朝刊、村上春樹についての連載コラムに「入れ子」の比喩。世界の構造はは入れ子状態であり、個人の内面もまた入れ子状態である、という村上春樹の認識。そこに音楽でいう倍音が介在する。……そして共鳴〜共感が響く、とは私の外延した考え。その「入れ子」という世界認識は、私にはじつに新鮮。デジタル世界はその入れ子状態の世界を単一の、倍音のない積層平面世界に変えてしまう、と感じる。オウム真理教のように。

 水流添(つるぞえ)は 鹿児島県の人名。殺人事件の被害者だけど、読めないわ。