昭和レトロなギネア音楽

 昨夕、帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。宮部みゆき「楽園(上)」文藝春秋2007年初版、クラフト・エヴィング商會クラウド・コレクター」ちくま文庫2004年初版、計210円。

 夜更けてよく聴く音楽に西アフリカはギネアのバンド、ベンベヤ・ジャズ・ナシオナルBembeya Jazz National がある。四十年以上の歴史のある名門バンドの、1960年代後半から1970年代前半(すなわち昭和四十年代)の演奏を収録した「 The Syliphone Years 」2004年という二枚組みCDを気に入っている。とりわけ気に入っている「 Sou 」という曲目は1973年のアルバムに収録。英文ライナーノートによると、西アフリカ沖の島国カーボ・ベルデの歌手「セサリア・エヴォーラ Cesaria Evora のような歌手によって近年知られるようになった、ゆっくりした『 MORNA 』様式に基づいている」。その悠揚としたリズムを基にタメの効いた演奏が胸にぐっと迫る。まるで昭和歌謡の世界。ウィスキーをカッコよくぐっと呷りたくなる。いかん、いかん、そんなことをしたら二日酔い。

 1989年制作のLPレコード「 Wa Kele 」で彼らを知ったのだけれど、最後のマイナーな曲に落日の後の杳かな残照を感じた。今にして思えば、最も勢いのある時期が1970年代前半だったからか。

  開催中の木版画展、有線テレビで観たという方が毎日いる。来館された殆どのかたが「これ、全部木版画?」と信じられない驚きの表情を浮かべる。そしてひと言。「無料でいいんですか?」。いいんです。来ていただいたのですから。会期はあと二日。