入梅!?

 昨日梅雨入りという。雨が降らないと梅雨入りという気がしない。立ち込める雲は薄くなったり厚くなったり。そのせいだろうか、腰痛も少し。昨夕、友だちがギックリ腰。私と同じ医院へ。同病相哀れむ。あなたも?と医者が笑っていたと。その頃こちらは本屋で「きょうの料理」6月号、ブックオフ長泉店で二冊。武田百合子「ことばの食卓」ちくま文庫2007年 12刷、柄刀一御手洗潔シャーロック・ホームズ創元推理文庫2008年初版、計210円。105円棚の古川日出男「13」角川文庫は持っているので見送りだが、その13という文字がやけに気になり、ネットで13のつく小説を調べてみてそのあまりの多さに辟易。

 武田百合子「ことばの食卓」ちくま文庫を読んだ。不思議な手触りの文章だ。水気の少ない刷毛でさっさっと描いた水彩画のよう。

「『何だか、口の中がげろの味と匂い』言いにくそうに娘が感想を言う。私は便所に行きたくなって廊下へ出た。」105頁

「まん中でよろよろと指揮の真似をしているおじいさんの顔は真っ赤だ。こんなに飲んじゃって大丈夫なんだろうか。明日は死んでるんじゃないだろうか。」138頁

 こういう表現、なかなかできないなあと思う。種村季弘の解説、「大人の分別に汚されていない、コドモの金無垢の言語感覚で童画のように描き上げた『ことばの食卓』」は的を射ている、首肯。