ジャズ宣言

 四谷書房日録さんで昨日の平岡正明訃報を紹介している。彼の「ジャズ宣言」イザラ書房1969年を開く。表題論文冒頭。

「どんな感情をもつことでも、感情をもつことは、つねに、絶対的に、ただしい。ジャズがわれわれによびさますものは、感情をもつことの猛々しさとすさまじさである。あらゆる感情が正当である。」

 脳天にドカン! その後のジャズ人生を決定づけた、と今にして思う。

「暴力の契機のないジャズなどというものは、両者ともに逃げまわっているボクシング試合のようなものだ。」

 「山下洋輔論」から。

「放っておけば自分自身を焼肉にしてしまうような野心とパッションに満ち、悪企みがピンポン球のように飛び交っている同世代者の群れを見るのは安保ブンド以来のことだ。しかもジャズマンは革命家以上に成熟した連中なのだ。」

「ジャズマンに対しては、かれらのステージを聴いたとたんに、とてもあいつらみたいにはやれない、という気分になり、口惜しいとさえ思うのだ。」

 四十年近く前、国立音大で平岡正明の司会で聴いた山下洋輔トリオ(山下洋輔中村誠一、森山威男)など鮮烈な記憶だ。きょうも風が激しく吹いている。吹けよ風、呼べよ嵐。