密室の殺人?

 昨日の地震の最初の死者が静岡市で出た。マンション住まいの女性。平積みした本の山が崩れてその下敷きになって窒息死。

《 同署の調べでは、女性はふとんの上であおむけに倒れていた。発見時、女性は大量の書籍や約30冊の本を収納したプラスチック製ケースに埋もれていた。/同署によると、女性方は天井に届くほどの高さまで、数千冊の書籍や雑誌が平積みにされていた。室内に侵入された形跡や女性に目立った外傷はなかった。 》

地震が来ると、書架を抑えに行くか、書架から逃げるか迷うんだよなあ。」

 このコメントに座布団一枚、いや豪華美術本一冊。

「俺は真っ先に押入れのワイフを確認したな・・・表情は変わってなかった。」

 ウ、ウマイ! 女友だちはナンダカわからなかった。

 我が家では本棚の一番下に立ててあった本が二冊倒れていただけ。本棚はすべて倒れないようにしてあるし、ぎゅう詰めだからそれほどは落下しないだろうと淡い期待。

 ブックオフ長泉店で一冊。大橋良介「時はいつ美となるか」中公新書1984年初版、105円。その大橋良介は五月の京都新聞に「ジャポニスムの二十一世紀」というエッセイを寄せている。

《 最近、第三のジャポニスムないし二十一世紀ジャポニスムが、進行しているように思われる。その兆候は、欧米各地で開催される種々の「日本」展に、読み取ることができる。 /ほんの数例を挙げるなら、一昨年から昨年にかけての、ドイツはヴォルフスブルク美術館で開催された展覧会『充溢する空』と、パリ日本文化館での『黒田清輝から藤田嗣治まで』への反響 、今年のニューヨーク・グッゲンハイム美術館での展覧会『第三のマインド』の人気、等である。/これらは二〇世紀ジャポニスムの延長とも見える。しかし違いがひとつある。それは、「日本的なもの」への関心が、もはやエキゾチシズムではなくなって、現代の芸術造形の中に根をおろし、成長し始めている、ということだ。「マンガ」の世界的流行は、いわばその想定外の副産物だ。 》