「13の密室」

19日(水)臨時休館します。

 きょうから三日間、三島の夏祭り。我が家のそばの三島広小路駅から東へ一直線、三嶋大社までの七百メートルの道路の両側に、昨夜から露天が並び始めた。今朝もその数は増え続け、ぎっしりと軒を連ねている。毎年のことだけれど、壮観。さあ、祭りだ。

 渡辺剣次・編「13の密室」講談社文庫1979年を読んだ。江戸川乱歩の処女作「火縄銃」から中井英夫「聖父子」までハズレ無しの定番揃いだ。よって半分以上が既読。再読でも感興一入。編者の「密室のとびら(序に代えて)」が熱い。

《シュールリアリズムの彫刻のような奇抜な構築物が林立し、その背景も、真紅の煉瓦の壁、白タイルの浴室の床、そしてまがまがしい暗黒の夜と、いろとりどりであり、そうした装置のかなで白日夢に似た幻想的な事件や、血にまみれたリアルな事件がつぎつぎとおこる。毒蜘蛛がはしり、花火が炸裂する。マーラーの憂鬱な歌曲がながれ、燦燦とかがやく太陽さえ殺意にみちている。》