10月 5日(月) 休館日/伊豆市の人々

 昼前に自転車で廻って雑用を片付ける。午後は雨。のんびり過ごす。静岡新聞朝刊には昨日の出来事の記事。グラウンドワーク三島が箱根西麓で育てている蕎麦の花が満開の写真。美術館へ来る途中にある林光寺の本堂が完成。二年がかりの木造建築。この寺には、大岡昇平の小説「花影」のモデル、ムウちゃんこと坂本睦子の墓がある。久世光彦が「女神」で描いた女性。白洲正子の親友。葬式では白洲が弔辞を読んだ。沼津市の芹沢光治郎記念館が開館。スルガ銀行の財団法人から寄贈されて沼津市が改装した。三島駅北口には「大岡信ことば館」が開館。増進会出版社が本社ビルに作った。伊豆市中伊豆支所では伊豆市上白岩出身の作家・故高杉一郎ギャラリー展が開幕。高杉一郎は四年間のシベリア抑留体験を綴った「極光のかげに」がベストセラーに。長女は「父は晩年ふるさとに帰りたがっていた。実現しなかったが、こういう形でふるさとの人に温かく迎えられ、本当に感謝している」とあいさつ。同じ伊豆市土肥生まれの詩人・故石原吉郎は、八年にわたるシベリア抑留から還って、故郷を追われた。「花嫁」が新潟県の切手になった挿絵画家・故蕗谷虹児は、晩年を伊豆市上白岩で過ごしたが、当時の中伊豆町教育委員会は名前さえ知らなかった。伊豆市中伊豆に小説家・故倉橋由美子は終の棲家を建てたが、彼女のことも知らない。イラストレーター・故内藤ルネ蕗谷虹児の美術館を当時の修善寺町に開くつもりでいたが、地元の建築業者に資金を持ち逃げされて断念。後年同地に内藤ルネ人形美術館を開設。けれども、地元修善寺の人は、その人誰?と無関心だった。