翡翠はそこにいる

 自転車になじんできたので、昨夜はブックオフ三島徳倉店へ。岡本太郎「美の呪力」新潮文庫2004年初版、鎌田東ニ「宮沢賢治銀河鉄道の夜』精読」岩波現代文庫2006年4刷、新保博久名探偵登場──日本篇」ちくま新書1995年初版、計315円。

 開館前、女性県庁職員を自転車で源兵衛川〜清住緑地〜ついでにK美術館と案内。源兵衛川では数メートル先の枝に留まっているカワセミを見、清住緑地では飛翔してゆく翡翠カワセミ)を二度見る。都合三度も間近で見るとは、運のいい人だ。

 昨日引用した中井英夫「黒衣の短歌史」、「昭和二十八年〜二十九年」の一節の前には以下の文が綴られている。

「歌では喰えない、ということは裏返せば純粋の読者がいない、読むだけで満足できるすばらしい短歌があまりにも少なすぎるせいなので、従って歌人の資格はもっぱら歌歴が何十年とかいうことで決められる。そのあげくにこうも溢れてしまった歌人、しかも死ぬまで歌人であることは変わらない不思議な伝統を何とかしなければ駄目だという思いは強まるばかりだった。」

 絵の世界も同じ。橋本治「江戸にフランス革命を!(下)」中公文庫1994年、179頁。

「『文芸書が売れないのは流通のせいだ、文芸書の専門店を作れ!』と言い出すおめでたい"作家"の存在する現代は、正にこの時間軸の上にある。"売れる売れない"を問題にするんだったら"売れる商品"という発想をしろというのが、正しい商道徳というものなのに。」

「リアリティーというのは、だから、"実在させてしまえる技術"のことを言う。」145頁

 絵にも言えるな。ついでに最近の中国のジョーク。

「日本にかかわるな。社会主義がうつる。」