懐かしい晩秋

 富士山は中腹まで雪模様。おお、寒。昨日の記述の訂正。あがた森魚「赤色エレジー」は、1971年の発売だった。奥付は「昭和四十六年十二月二十五日発行 初版一千部限定の八六○ 幻燈社」。昨日のYou Tubeの画像の音源はこの「うた絵本 赤色エレジー」ではない。この「うた絵本」では、あがた森魚の声は侘しく、演奏は大道芸人風。高田渡が解説で書いている「ステキよ ふふふ」という結びは、B面の演奏が終えた後にさりげなく拾われた女声。誰なんじゃ、たまらん、と当時思った、かな。「ステキよ」に私はつげ義春のマンガ「海辺の叙景」の最後の場面を連想した。

 シングル盤とアルバムでは同じ歌でも違う録音というものがある。古いところではみなみらんぼう「途上にて」1977年。山崎ハコ「流れ酔い唄」もそうだった記憶。アルバム「流れ酔い唄」の最後の唄「 夜明け前」が You Tube にあった。ハコの唄に鼓舞されて延々と続くエンディングが話題になった。今聴くとこのエンディング、イーグルスの「ホテル・カリフォルニア」を連想させる。彼女の最高傑作だと思うこのアルバムは再発売されていない。もったいない。ネクラのハコ。1970年代は挫折の歌が目立つ。いや、私がそんな歌ばかりを好んでいたのか。昨日「懐かしい」と書いたとき連想したのが、杉田二郎「再会」。なかにし礼の歌詞がいい。「匂い」の使い方が吉行淳之介の小説のように巧い。宇崎竜童作曲。

《私たちの 想い出を/たどりながら 踊って/懐かしいわ この匂いよ/これが あなた》

 この緊急災害用快適仮設空間QS72、災害用よりも美術品個室鑑賞によさそう。胎内回帰みたいな。想定外の楽しい用途がいろいろありそう。