ゴミ出し

 不要物をゴミ出し。瀬戸山玄(ふかし)「東京ゴミ袋」ちくま文庫2004年を読んだ。異臭を放っているゴミ(新鮮なゴミもあるけど)を、鋭い観察眼と軽快な文章が、魅力的な素材に変化させている。私もゴミ漁りをしようか、という気にさせる。路上観察とはまた違ったゴミへの眼差しで見出す日本の実像。1988年地上げの横行した地域を歩いての感想。

≪しかし一度、お金を手にして移転を決意した人間は、過去を忘れたいがために案外、後ろを振り返らないものなのかも知れぬ。≫「横丁の夢跡」49頁

 明治維新後、敗戦後、そして政権交代後。藤圭子は「別れの旅」で歌っていたなあ「後ろを見ないで生きてゆくでしょう」。

 ブックオフ長泉店で三冊。「色川武大阿佐田哲也エッセイズ2芸能」筑摩文庫2003年初版、「色川武大阿佐田哲也エッセイズ3交遊」ちくま文庫2003年初版、ポール・アルテ「狂人の部屋」ハヤカワ・ミステリ2007年3刷帯付、計315円。