自宅は三島市の繁華街のど真ん中。東西に伸びる旧東海道沿いに広がる繁華街には、我が家を挟んで東西100メートルにテナント募集の空き店舗は、この不景気にもかかわらず一軒も無い。居酒屋が目立つ大通りで、一年中で最も静かな深夜が、この正月三が日。というか、この三日しか静かではない。大晦日の深夜は、東にある三嶋大社への初詣客でごった返す。そんな静かな昨夜は、NHKテレビの上原多香子がトルコでベリーダンスに出会う番組を視聴。SPEEDの上原多香子にはまるで興味がなかったが、一人になって、容姿にがぜん興味を惹かれた。普段はフツーの女の子だろうなあと思うけど、ベリーダンスを踊る彼女は……タマランわあ。眼福。踊りだけずっと放送してくれえと叫びたくなった。感興冷めやらぬまま、音楽をかける。そこで流れていたロマ(ジプシー)の音楽でもトルコの音楽でもなく、この深夜はやはりジャズ。それもピアノ・トリオ。やっぱりズージャ(ジャズ)はいい。ロマの音楽もいいけど、私は大都市の地下のコンリート壁から生まれたようなダンモ(モダンジャズ)が最も肌に合う。根を植えようにも、アスファルトとコンクリートで固められた地面には根付くべき土がない。まさしく根無し草。ロマの根無し草は地面を転がってゆくけれど、ジャズには地面は無い。靴裏に土が付かない→土着しない。二十世紀の都市に生まれたジャズに最も惹かれる。