昨夜はグラウンドワーク三島の集まりが遅くまであって、帰宅してお風呂へ入ったら深夜。NHKテレビの「東京カワイイTV」〜「ケータイ大喜利」をながら視聴。爆笑、微笑。精神衛生上すこぶるよろしい番組だ。同様によろしいのがブックオフでのお買いもの。ブックオフ長泉店で四冊。浅羽通明(みちあき)「澁澤龍彦の時代 幼年皇帝と昭和の精神史」青弓社1993年初版、井上直久「イバラード博物誌」架空社1994年2刷、「2009年版このミステリーがすごい!」宝島社2008年初版、縄田一男・編「忠臣蔵コレクション1 本伝篇」河出文庫1998年新装初版、計420円。
今回の展示は、油彩画水彩画水墨画木版画銅版画などが、それぞれの絵画がもっている魅力を最大限に引き出す(鑑賞者がその絵画の魅力を十全に感得できる)ように、技法流派分野を無視した組み合わせをした。デザイナー内野まゆみさんの非凡な力が与ったが、その大胆な試みは……成功したと自負している。ただ来館者は、きょうも一点一点を鑑賞するだけで、全体の構成までは思いがゆかない。それはそれでいたしかたない。歌人の塚本邦雄は「序破急急」筑摩書房 1972年収録の「詞華花合」で書いている。原文は旧漢字歴史的かな遣い。
≪古事記からラディゲまで、ロートレアモンから(斎藤)茂吉まで、あるひは山中智恵子から高橋睦郎まで、その目のくらむやうな次元の差異と美学の落差を、心さへあるなら心の掌の崖におき、自由に賞玩することができるのだ。≫
≪なることなら、私はここに古今東西の絵画を飾つて、豪華目をあざむく絵巻物、絵詞が生みたい。ロートレアモンにカルズーを配して、ほしいままな幻想を馳せたのは、そのやみがたい現れである。≫
≪たとへば最初の石原吉郎と山中智恵子には加山又造の絵を、さもなくばベルナール・ビュッフェをえらびたい。第二のラディゲ・(船津)碇次郎の組み合わせを飾るのは、いつそボッティチェリかルドンを。茂吉と睦郎にはダリがふさわしかろうか。さもなくばボッシュを借りて来てもよい。(岡井)隆・(加藤)郁乎・古事記の三位一体は、大胆不敵に、しかもひつそりと、浜口陽三のエッチングを飾りたい。≫
( )内の字は引用者が加えた。「最初の石原吉郎と山中智恵子」の作品は、石原吉郎の詩「風と結婚式」、山中智恵子の三首は歌集「『紡錘』の圧巻作品」なので、三首を引用。
一枚の硝子かがやき樹を距つむしろひとに捨てしは心
紡錘糸ひきあふ空に夏昏れてゆらゆらと露の夢たがふ
冬は雲雀つばさのこゑに虚空うつはつはつにひと若きかな