春……みたい。物事には時期がある。

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。小池滋「『坊っちゃん』はなぜ市電の技術者になったのか」新潮文庫2008年初版、松味利郎「旅 ヨーロッパ壁絵街道」京都書院アーツコレクション1997年初版、計210円。

 朝、沼津市大岡の中央整骨院へ。初めて電動ベッドを体験。仰向けになっていると、ベッドに組み込まれた回転棒(?)が上下したりする。これは初体験。形容しようがないなあ。人間椅子? いや麺棒で押さえられているパイ生地の気分。生きているとまだまだ未知の体験があるなあ。昨日引用した≪不意に出来する事件をコントロールし、流れ込んでくる力に対抗しながら、予測がつかないものを迎えること。≫の気分。

 堀江敏幸「回送電車」中公文庫読了。前半のしっかりしたエッセイも、後半の短い雑文も、それぞれに読後感がよろしい。前にも書いたけど、さっぱりとしていて臭みがなく気持ちよい。この本で初めて知ったこと。私は「ムーミン」を読んだことがないけど、スナフキンがそのシリーズの登場人物だと去年知ったが。

ヤンソンの原作ではスナフキンという名が存在しないと教えられて愕然とした。あの奇妙に心地よい音は、英訳からの転用だったのだ。≫172頁。

 トーベ・ヤンソンフィンランドの作家なんだ。

≪物事には時期がある。早すぎてても遅すぎてもだめなのだ。≫179頁

 ムーミンスナフキン。ちょうどいい時期だったようだ。「回送電車」も単行本で読んでいただけなら、杉本秀太郎の解説で指摘された本文の間違いも、それにたいする堀江敏幸の文章も知らずにいた。はてさて。午後三時から東京の大学生九人をグラウンドワーク三島の事業地へ案内。きょうは早仕舞い。