内分

 隣家が建て替えのため築三十八年の二階建ての木造家屋を壊している。簡単に壊れてゆく。儚きは人の世ばかりではない。

 昨日バタバタしていて書けなかった渡辺京二「逝きし世の面影」から。

≪しかし、いちじるしく弾力的な法運用と権限の下級共同体への移譲によって支えられていた徳川期の民衆の自由は、「内分」など認めない明治のピューリタン的国家権力によってやがて撃滅される運命にあった。ヨーロッパでは近代市民的自由は、近代以前の各種の共同団体の保持する自由を胚種として成長し確立したのに対して、日本の前近代的共同団体の伝統的な自治権は明治の革命によって断絶し、その結果、わが国の近代市民的自由は異邦的観念として、生活の中でなく知識人の頭脳の中で培養された。その意味でも、江戸期の民衆の自由の基盤となった前近代的共同団体の自治権は、再検討と再評価を求められていると言ってよかろう。≫273頁

 ネットの拾いもの。

≪「選挙に出る女子柔道選手、浦沢直樹のマンガからとった名前、何だっけ」

 「えーっと、モンスター」≫