決定的主観

 雨模様。カエルが鳴きだした。
 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。浅田次郎オリジナルセレクション『松本清張傑作選』新潮社2009年初版帯付、井上ひさし『にほん語観察ノート』中央公論新社2002年初版帯付、計210円。奥付の「編者紹介 浅田次郎」全文。

≪1951(昭和26)年、東京都生まれ。'95(平成7)年『地下鉄(メトロ)に乗って』で吉川英治文学新人賞、'97年『鉄道員(ぽっぽや)』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、'07年『お腹召しませ』で司馬遼太郎賞、'08年『中原の虹』で吉川英治文学賞をそれぞれ受賞した。『薔薇盗人』『憑神』『夕映え天使』など多数の著書があり幅広い読者を獲得している。≫

 巻末の浅田次郎「人間を描く」、冒頭。

松本清張先生は一九九二年に亡くなられた。私が初めての単行本を上梓したのはその前年の暮であったから、実にすれちがいである。≫

 その初めての本『とられてたまるか!』学習研究社1991年11月5日初版、「前口上・灰色の招待状」から。

≪ご面倒でも、表紙のレイアウトをご覧下さい。そう、これは「殺(と)られてたまるか」と「捕(と)られてたまるか」の二通りの意味があるのです。≫

≪濡れ手にバブル 企業舎弟が指南 実践 経済 犯罪 セミナー≫

 の帯文が踊る本の奥付著者紹介全文。

浅田次郎(あさだ・じろう 当然筆名)
 昭和二十六年東京生まれ。駒場東邦中学・中大杉並高校を経て、鮮やかにドロップ・アウト。永遠のライバル・三島由紀夫の自決を知り、発作的に自衛隊に入隊する。満期除隊後一転してマルチ商法に参画。莫大な利益を得るが、より莫大な支出も経験する。以後、「悪銭も身につく」ことを実証しようと一念発起し、数々のブラックマーケットを渡り歩く。警察に追われ、ヤクザに狙われるシリアスな人生だが、なぜか未だもって塀の向こうには落ちたことがない。目下、都内某所に潜伏中。マイナーとして財を成すか、メジャーとなって名を残すかと悩みつつ、不遇をかこっている。≫

 裏表紙には別の著者紹介文もある。ま、メジャーを選択したんだ。

 バンコクの騒乱写真、報道カメラマンの腕の見せどころだ。

≪こういう「決定的主観」というのは、計算し尽くして、待って撮るものです。偶然では撮れない。≫

 決定的瞬間の間違いだと思うけど、決定的主観、これは使える言葉だ。

 ネットの拾いもの。

タス通信は昨日、北朝鮮が発射したミサイルが近海に着弾したロシア

 極東・沿海地方のナホトカで、説明を求める市民らが市庁舎や北朝鮮

 総領事館に押しかけるなど、不安が広がっていると伝えた。

 一方、日本人は2chに殺到した。≫

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