丸い石

 昨夜の雨は夜明けには止み、爽快な晴天が広がる。しかし、晴天の哀しみがある。晴天の極みが含有する天変へのかすかな兆し。水木しげるの「河童の三平」には線描の奥に、そんな哀しみが仄かに感じられる。……なんて書いているうちに雲が広がる。気分が落ち着く。雨パラパラ。焦る。

 水木しげる河童の三平2」東考社桜井文庫1975年には権藤晋の解説。

≪そして私は、この作品が<大変なもの>であることを力説したのであるけれども、私の知る限り、梶井純を除いて肯定した人は皆無であった。そして、私もまた、<大変なもの>の内実については、言葉をもってしてはほとんど説明できないでいたのである。≫

≪いきおい、梶井純と私は、お互いに慰め合う破目となった。「ちっともおかしくないんだな。いや、たしかに読んでいて笑ってしまう箇所はいくらでもあるよ。水木さんらしいユーモアだなと嬉しくなってしまうことだってあるけどね……」≫

 この前椹木野衣(さわらぎ・のい)の本を貸してくれた知人女性が赤瀬川原平「反芸術アンパン」ちくま文庫1994年を「すごく面白かった」と返しにくる。これからは多分、丸い石が流行るでしょう、と鉱物好きな彼女に種村季弘(すえひろ)「不思議な石のはなし」河出書房新社1996年をお貸しする。 テケママが本を返しに来る。好みではないかも、と訝る彼女に貸した森奈津子西城秀樹のおかげです」イースト・プレス2000年、「文章が読みやすくて読むのが止まらなかった。面白かった。」と仰る。ヨカッタ。

 ネットの拾いもの。

≪今の職場に転職して半年ほどで、10人以上の年下男性に結婚を申し込まれました。

 そんな私の仕事は幼稚園の先生。≫