世界観・倫理観

 松岡正剛「花鳥風月の科学」中公文庫からもう一つ。

≪科学の眼は世界観と結びつく必要もあります。
 部分的な分析が精確だからといって、それで科学だというわけにはいかない。今日の科学技術の問題は部分的分析の単位がたがいにつながらなくなってきたということにありますが、それは合理的な科学があてはまる範囲を、それぞれの分野科学者がせばめすぎたからでした。世界観を無視した科学は"魂のない廃墟"になることだってあるのです。≫236頁

 この文章は小川泰(とおる)「かたち探検隊」岩波書店2002年の文章につながる。

≪ここで注意すべきことは、系をどう切って、どういう条件で最適化するのかという問題である。そこを誤れば、正反対の結果だって導けよう。企業にとっての最適、一国にとっての最適は、世界、人類にとっての最適とは違う。科学の適用には立場がからみ、本当の科学の結論は、倫理観と無縁であってはならない。science は conscience と一致する必要がある。≫ 110頁

 ネットの拾いもの。売り物の掛け軸について。

≪本作品の作者ですが、印章に、「清方」と、ありますので、

 見出しに採用しましたが、何処の「清方」かは、不明です。 ≫

 鏑木(かぶらき)清方でないことは確かだ。

明日3日(木)は休館します