魔女の1ダースは13

 きょうは6月6日。6+6=12。で、 米原万里「魔女の1ダース」読売新聞社1996年初版を昨夜読了(コジツケ)。ご多分にもれず、この本でもシモネタ満載で苦笑微苦笑大笑の連続だった。が、そんなシモネタはこのお上品なブログには掲載できませぬ(したいけど、ブログでも顰蹙を買うようではなあ)。「エピローグ」からちょっとひとつだけ。

≪ある日何気なく「女性学」コーナーの書架をのぞくと、『女、三○歳にして立つ』という本のタイトルが目に飛び込んでくるではないか。(引用者:略)なんで「女が立つのだ」という疑問が頭をかすめた≫

≪お受験熱にかられた母親や、効率一辺倒の学校が、習熟度レベルで学童をクラス分けして欲しいという願望にとらわれることがしばしばあるようだ。それが子供たちにとって、いかにまたとない素晴らしい機会の喪失であるか、気づこうとしない。≫「第10章 遠いほど近くなる」205頁

≪それ自体はプラスマイナス両面合わせ持つ横並び意識が、それが最も相応しくない報道機関に異常に拡大再生産された形で出てしまっている。ほとんどマスコミの属性にしまっている。先の天皇の死から「大喪の礼」にいたるマスコミ報道の一糸乱れぬ見事な画一化ぶりや、九五年三月のオウム強制捜査以降の、それまでとは打って変わったオウム報道の節度も倫理もかなぐり捨てたヒステリーぶりには、空恐ろしいものがあって、わたしは真剣に亡命を考えたものだ。≫「第13章 強みは弱みともなる」261頁

≪マスコミが流す情報には、このすでに陳腐化して言葉の真の意味での情報ではなくなってしまった情報の割合が余りにも多すぎる。≫261-262頁

 指摘されてから十五年、≪肥大化すぎるゆえのあまりの無力を裏づける事態がまたまた白日のもとに晒されてしまった≫ マスコミがマスゴミに成り果てた昨今、遠くから弔鐘が聞えてくるようになった。

 ネットの拾いもの。

≪みんな不愉快な環境で働きたいとは思ってないはずなのに

 実際に不愉快な人間関係の職場は山ほどある不思議。

 なんでだ。≫

≪IT3K職場

 帰れない、毛が抜ける、気が狂う≫

 静岡新聞朝刊、読書欄コラム「読んでくれますか?」は、コラムニスト・えのきどいちろうの「米原万里『オリガ・モリソヴナの反語法』」。

≪著者の米原万里さんという人は亡くなられたんですが、書いた本が全部面白いというスゴイ人です。大丈夫、今日から本があなたの味方です。≫