ゲゲゲの鬼太郎

 きょうの「ゲゲゲの女房」は、少年マガジンで「墓場の鬼太郎」が始まったところ。評判はサイテー。はてさて、いつ「ゲゲゲの鬼太郎」に題名が代わるか。

 森山大道『犬の記憶 終章』河出文庫2001年初版は、なかなか読ませる。カメラマンがここ!のアングルから決定的瞬間を撮るように、シャッター音がバシッバシッと聞こえてくるようだ。「新宿」の章。

中平卓馬が出版社辞めてフリーの写真家になってから、彼とぼくとはカメラを肩に、つるんで新宿の街を歩くことが多くなった。もっぱらそれは夜の飲み屋めぐりが主で、アカシア、カヌー、ユニコン、そして緑苑街とゴールデン街の店々を梯子し終ると、もう明け方に近かった。(引用者:略)明け方近くの新宿の街は、昼間や宵の口の繁華な風景とは全く異なった貌を見せ、なにがなし早朝の海を眺めているような感覚に似たところがあった。それはほんのわずかな時間でしかないのだが、叙事と叙情とが酔いの醒めはじめた意識のなかで微妙に交叉する一刻であり、大都会がいちばん美しい風景を垣間見せるひとときで、ぼくたちはしぜんと無口になる。≫105頁

 「青山」の章。1968年のこと。

≪その年の晩秋のある日の午前、当時ぼくが住んでいた逗子小学校裏のアパートの、猫の額ほどの庭に出てぼんやり煙草を吹かしていると、垣根の向こうを通っている路地のつき当りの角から中平卓馬がこちらへ歩いてくる姿が目に映った。黒いスエードのジャンパーに黒のコール天の細身のズボン、濃い茶のサングラスのうえにバサリと長髪がかかり、少し前かがみに、例によって右肩を軽くそびやかす特有のポーズでスタスタと歩いてきた。久しぶりに見る中平は相変らずゲゲゲの鬼太郎みたいだった。≫158頁

 ネットの拾いもの。

≪社長「わが社もやっと一部上場を果たした。」

 社員「社長、いつ全部上場するんですか?」≫