つげ義春「大場電気鍍金工業所」1973年を読んだのは、つげ義春『ねじ式 異色傑作選1』小学館文庫1976年初刊1980年 10刷だった。『つげ義春作品集』青林堂1969年の「断片的回想記」に記されている、貸本漫画家になる前に働いていた鍍金(メッキ)工場での出来事を描いた自伝的漫画だ。佐藤忠男は文庫の解説「劇画と学歴社会」で書いている。
≪つげ義春の作品は、いま若者たちがそうしてシラケている年代を、メッキ工場やラーメン店で働きながら、それらの仕事に、どうしてもなじんでゆけない自分自身の苦悩から逃れるために、ひたすら絵をかきつづけたという生活のなかから生まれてきたものである。≫
≪その見捨てられた者のような孤立感で、彼は逆に、その時代の相貌を社会の最底辺から照らし出した。そして、そのことでかえって、高学歴社会の現在(いま)いっそう深まっている人びとの相互の間の孤立感を、つきぬけて訴えかけてくる詩を獲得したのだと思う。≫
≪42年だったか、ぼくはその頃、調布の水木しげる氏の近所のラーメン屋に下宿していた。≫
きょうの『ゲゲゲの女房』では、つげ義春のモデルの役者が、水木しげる宅で借りた風呂から出たら、こざっぱりした姿に変身していて夫婦ビックリ。当時のつげ義春はちょっと見のいい草食系男子だった。つげ義春は昭和12年生まれ。昭和42年、彼は30歳。
ネットの拾いもの。
≪母親「お前はほんとに悪い子だね、父さんなんか態度がよくて
刑期を2年間も短縮されたんだよ」≫