水木しげる展初日

 最初の入館者は、六十代のご夫婦。『ゲゲゲの女房』をご覧になっている。桜井昌一がモデルの戌井さんが印象深かったと仰る。故桜井昌一の展示台にある桜井昌一からの直筆ハガキを感慨深げに読まれる。貸本漫画は四十年あまり前に買っていたというと、驚かれる。

 味戸ケイコさんから東京新聞夕刊、恩田陸新聞小説の切り抜き先月分が届く。嬉しい心遣い。

 内田樹の八月二日のブログに宇沢弘文の「社会的共通資本」が出ていた。

≪「社会的共通資本」は政治イデオロギーにも市場にもリンクさせてはならないという宇沢弘文先生の理論に基づいて、「変化しなくてもいいものは、変化しなくてよろしい」ということを説く。聴衆の笑い声から勘案するに、わりと好意的な反響だったようである。≫

 変化しなくてよいものに味戸ケイコさんの絵がある。この新聞小説の挿絵は、原点回帰の気がある。昨日、三島の某美術館での某有名デザイナーの回顧展へ行ったのだけれども、雑誌で素晴らしい業績=一世を風靡したことで名前は知っていたけれど、作品はどれももはや遺物でしかなかった。遺産になれなかった絵画たち。名声は残っても作品は遺らない。味戸ケイコさん、水木しげるの初期作品は、そのデザイナーの絵とは違って、今もってずっと見ていたくなる。未だ賞味期限切れではない味戸、水木作品。

 ネットの拾いもの。

≪母からメール「わたしはあなたのあ母さんじゃないんだから」

 オレ。ギョッ。

 母からメール「お父さんに送るのを間違えた」≫