北斎道子展三日日

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。養老孟司『ミステリー中毒』双葉社2000年初版帯付、飴村行『粘膜蜥蜴』角川ホラー文庫2009年2刷、計210円。前者をパラパラと読む。

≪サービスとは気を遣うことだというのは、東西を問わず変わらないらしい。≫209頁

 美術館はサービス業だと思う。

≪暑いときに本を読もうというのが、間違っているのである。≫231頁

 トーマス・マン魔の山』は、半分を過ぎたところで中断。暑さと忙しさでまだ止まったまま。知人から恵まれた詩集も、なかなか読み進めない。昨日は自宅へ持って帰ったけれど、結局開かぬまま美術館へ持ってきた。神経を遣うことが多くて、夜音楽を聴く気も起こらない。

 氷雨。人の入りは少ない。じっくり鑑賞する人たち。話が弾む。

 ネットの拾いもの。

≪テレ東の「料理の怪人」(水曜・夜九時)が面白い。漢方医のカレーシェフだとか、山の頂上まで百キロ近い具材を背負って運ぶ鍋焼きうどん屋とか、一日に一万個も手作業で作る肉まん屋とか、グローリーでスパイシーな怪人たちの店が紹介される。もちろん、いずれも美味ということだ。

 そういう店に出会いたいものだが、どうも、俺は、

 残念な怪人

 しか見たことがない。≫

 美術界にも、残念な怪人は、掃いて捨てるほどいる。