クラクラ好きな世も末

 今回は、美術館玄関口に大きな暖簾を掛けてある。つりたくにこのマンガ『MONEY』1974年の人物像を大きく描いた暖簾。強風にあおられてはためいている。「オシャレだなあ」と感じて、と女性来館者。効果あり〜。平野雅彦氏の紹介ブログには別の小さい暖簾が載っている。単行本一冊を読んでしまい「面白かったです」と。ヨカッタ。

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。坂口三千代『クラクラ日記』ちくま文庫1989年初版、矢田挿雲『新版 江戸から東京へ(一)』中公文庫1998年初版、計210円。後者は一昨日の夜、文庫本棚に挟まっていたパンフレット『中公文庫読本』2008vol.1をたまたま開いたところ、「私の好きな中公文庫」に町田康がこれをあげていたから。

≪何度も読み返した本だが、語りっぽい文章が渋くて、頁を繰るうちに急速にまた読みたくなって、この原稿が終わったらすぐ読もうという気持ちになったので、矢田挿雲『新版 江戸から東京へ(一)』を、もっとも好きな中公文庫ということにいたします。≫

 某ブログから。

塚本邦雄歌集『青き菊の主題』など。わりと初期の歌集で、一首一行組みで小説も入った贅沢な造り。塚本邦雄も均一台に出るようでは、いよいよ世も末か。≫

 塚本邦雄。クラクラするほど好きな歌人だ。これが均一(いくらの均一だろう)台とは世も末、ひとつの時代の終焉を感じる。それはまた時代の転換期。新しい時代の幕開け。来年は、それがはっきり見えてくるだろう。

 そういえば、敦賀原発もんじゅの事故。再開の目処立たずとは。以前毎日新聞に載った川柳を再び思い出す。

≪ 原子力ふげんもんじゅのつぎおしゃか ≫