祭りの後の祭り

 昨日のパーティで使ったトイレットペーパー、女性が6ロール、男性は替えなし。この男女差。午前中は昨日のパーティの片付けと展示の復旧。復旧途中でも来館者。申し訳ない。

 朝日新聞朝刊の記事「文化変調」「崩れゆく『壇』の権威 画壇も文壇も楽壇も」「芸術院 嫌気さす逸材も」 。芸術院会員だからといって、例えば画家の場合、名前を知っている人が何人いるだろう。さらには絵画を即座に想起できる人が何人いるだろう。この記事でも書かれているが、会員になるための涙ぐましい事前運動を耳にする。

≪絵の世界では、会員になると作品の値段が上がるといわれたが、そうした威光もすでに失われた。≫

 昼過ぎ、安藤信哉について問い合わせの電話。昔、勧められて観に行った回顧展で感銘を受け、そこで買った画集をずっと見てきた。K美術館に収蔵されているのをネットで知ったと仰る。安藤信哉展の時といわずいつでもどうぞ、と応える。安藤信哉は芸術院会員でもない。けれども一級の画家だ。作品が証明している。

 藤雪夫・鮎川哲也・狩久による連作「ジュピター殺人事件」1954年を『鮎川哲也名作選』河出文庫2002年初版で読んだ。これは昨日もふれた「むかで横丁」と対をなす連作ミステリ。日下三蔵の解説から。

≪SRの会が会誌「密室」で行った東西対抗連作長篇探偵小説なる企画のために書かれた一篇。≫

≪関西篇のエントリーは宮原龍雄、須田刀太郎、山沢晴雄による「むかで横丁」、関東編が藤雪夫、中川透(鮎川哲也)、狩久による本篇であった。≫

 軍配は「ジュピター殺人事件」に上がったが、私には「むかで横丁」のほうが断然面白い。それはそれとして「ジュピター殺人事件」の事件発生日。

≪十一月二十四日をその日に選んだことには別段の必要性もない。≫

 私がこの日を読書に選んだことには別段の理由もない。たまたま、だ。

 今夜は美術館で内輪の還暦記念飲み会。祭りの後の祭り。