魔の山

 朝、源兵衛川の工事現場の不具合を検討して美術館へ。いよいよ風が強い。この不景気風の中、新しく店を開く人たちがいる。向こう見ずというか、無鉄砲というか、言って委員会。

 トーマス・マン魔の山』をやっと読了。夏には読み終えているはずがこんなに延びてしまった。三十年前に読んでいるけれど、はて、何を読んだのか。スイスの高原ダヴォスにある結核療養所での七年間の物語。国籍も年齢も職業もさまざまな人間が織り成す人生模様、人生問答。読後、安易な要約を拒む何かが残る。ドストエフスキートルストイスタンダールとは違った読後感。これが二十世紀の小説たる所以だろう。いやあ、簡単な感想だ。