「神奈川沖 浪裏」

 昨夜のNHKテレビ「北斎・幻の海」はじつに興味深かった。番組表の宣伝文句は「パリで発見! 千絵の海 伝説の傑作・完全復刻に密着 天才浮世絵師の謎を追う」。木版画の復刻よりも、後半部、北斎の名作「神奈川沖 浪裏」について、北斎がそっくり真似した荒波の透かし彫り木彫(欄間に彫ったもの)が銚子のお寺に実在しているのに仰天。欄間の反対側(裏)から見れば、北斎木版画にそっくりそのままだ。小さな富士山の場所には宝珠が。北斎がこの欄間の出来上がったばかりの透かし彫りの木彫を観ていることも証明されているようだ。あの名作は北斎の創造ではなかった。先達の天才木彫師(名前は忘れた)の創造だった。欄間を裏側から見たから「浪裏」。去年行った北斎展でも手元にある画集でもそんなことは一言も書かれていない。この構図は北斎の創造と絶賛している。知らなかった。オドロイタ。その天才彫刻師こそ、賞賛されるべきだ。

 昼前に源兵衛川を歩く。下り上りの二回、カワセミに遭遇。二回とも小枝にとまり翡翠の羽を見せ、暫くして飛んでいった。眼福。

 ブックオフ長泉店で三冊。出久根達郎『朝茶と一冊』リブリオ出版1996年初版帯付、日本推理作家協会・編『マイ・ベスト・ミステリーII 』文春文庫2007年初版、別冊宝島963『決定版!! このマンガがすごい!』宝島社2004年初版、計315円。