奇想コレクション

 『山田風太郎奇想コレクション 厨子家の悪霊(あくれい)』ハルキ文庫1997年初版を再読。面白かったという記憶だけで内容はすっかり忘れていた。日下三蔵の解題より。

《本篇は本格ミステリの限界に挑戦した、極めて実験的な野心作といえるだろう。》「厨子家の悪霊」

《いかにも山田風太郎らしい、逆説的な設定が面白い。》「殺人喜劇MW」

《この限られた誌面で、本格ミステリを書こうというのだから、その苦労は察するにあまりある。》「天誅

《ほとんど完璧な推理小説というべき本篇》「眼中の悪魔」

《瀕死の病人をめぐる推理は、表層から出発して次第に心理の深奥へとせまり、ついには意外極まる結論に達するのだ。》「虚像淫楽」

《内容的にも技巧的にも、山田風太郎の持ち味が十全に発揮された傑作といえるだろう。》「死者の呼び声」

 昨晩、どこかの民放番組で池上彰と芸能人がイスラエルヨルダン川西側のパレスチナ国際法違反のユダヤ人入植地を訪問していた。パレスチナ難民キャンプもガザ地区も訪れない彼の解説にすごく違和感を覚えた。彼に山田風太郎の視点を求めるのは所詮無理か。

《人間は戦争という大量の殺戮をやりながら、あらゆる国家が正義の旗じるしとそれにたいする理論の裏付けをせずにはいられない。》「眼中の悪魔」より

 昨夕ブックオフ長泉店で二冊。河合隼雄『こころと人生』創元社1999年初版帯付、V・S・ラマチャンドラン『脳のなかの幽霊、ふたたび』角川書店2005年初版帯付、計210円。

 トリビア。「北斗の拳」の決めセリフ。

《 おまえはもう死んでいる→アニメ

 おまえは既に死んでいる→漫画 》