朝、畠に久しぶりの霜。伴信子歌集『花残月』雁書館1980年を読んだ。愛知県一宮の人。

《 灯りさす夜の路面にながれゐて牛の血潮のあやにうつくし 》

《 とどろきて列車のすぎし暗がりに寒夜のレール鋭く光る 》

《 まなうらに描く寝顔にてかの人の如何なる夜も知り得ざるなり 》

《 暗きまでくれなゐの濃き秋の薔薇みにくくたけし蕊をあらわす 》

《 暮れ残るひかり息づく水の辺(へ)に黒あげは終(つひ)の薄翅をたたむ 》