立春

 昨晩、イトーヨーカドー三島店で運動靴を買ったついでに、上の階の本屋へ。岩波文庫ヘンリー・ジェイムズ『大使たち』を見つけてしまう。訳者あとがきに『使者たち』の改訳版とある。参ったなあ。欲しいけど……。いつか安く出回るだろう。運を天に任す。隣のCDショップ新星堂へ久しぶりに入った。安物のCD棚からウェス・モンゴメリー Wes Montgomery 『インクレディブル・ジャズ・ギター』1960年録音を抜く。1100円也。自室でさっそく試聴。ずっと聴いてきたLPレコードとは、どこか違う。音が浅い。リマスター盤ではないからかも。

 寒さ、少し和らぐ。松川洋子歌集『聖母月』短歌研究社1988年を読んだ。札幌の人。

《 一会にがし秋の限りをさやぎたつ紅葉林の黒きくれなゐ 》

《 冬海のまなかに泛かぶ列島の弧のさみしさやきさらぎゆきつ 》

《 銀器磨く夕ぐれさむし光とは神の狂気の創りたるもの 》

《 夕空の美(は)しきレモンよさまざまに人老ゆるとも永遠(とは)の紡錘形 》