饅頭本

 深夜のNHKテレビケータイ大喜利を視聴。「メルヘン ニュースを読む」といったお題(記憶あいまい)の答えが気に入った。

《カボチャの馬車を先頭に35キロの渋滞です》

 そういえば昨日来館した三島市の知人女性が、ガソリンを入れようと家を出たら大渋滞に巻き込まれた、と。この時期、伊豆河津の河津桜を観に行く車で、伊豆はどこも大渋滞。昨日の昼、近所のコンビニでコピーをとっていたら、オジサンが「河津へ行くにはどう行ったらいい?」と店員に訊いていた。あの人、いつ着いたんだろう。

 句集や歌集は、勢いをつけて一気呵成に読んでしまう。大長編小説は、数週間かけて読む。事務室の机上にある近代(こだい)ナリコ『インテリア・オブ・ミー 女の子とモダンにまつわるあれこれ』PARCO出版2005年は、午後のひととき、ふっと手が空いたときに気の向いたページを開いてちょこっと読んでいる。きょうは冒頭から少し読んだ。香山滋が紹介されていてワクワク。

香山滋という作家(「ゴジラ」の原作者です)が水族館について書いたものを読んでいたら、水族館はうんとお金をかけて、大水槽大施設を作ってもっと娯楽化してほしい、とありました。》17頁

 水族館といえば香山滋だ。『海鰻荘奇談』桃源社1969年に出合った四十年前からずっと彼のファンだった。東京の知人の家で香山滋『オラン・ペンデク奇譚』岩谷書店1948年を見たとき、その表紙の女性像に一目惚れしたけど、それは山名文夫(あやお)の手になるものだった。やはりね。香山滋全集が沼津市の古本屋に揃いであるけれど、うーん、手が出ない。第一巻だけは新刊で買った。ネットで検索すると、安い!……しかし、十五冊をどこへ収蔵する?

 ネットの拾いもの。

《かつて、京極夏彦島田荘司など、分量のある分厚い小説を「お弁当箱本」と呼んで揶揄していたのだが、時は流れ、本当に「お弁当箱本」が出る時代になった。『栗原はるみ おべんとう100+はこ』》

 ならば饅頭本も『全国 お饅頭の本』なんてのが出るかも。

饅頭本とは─配り本。著名人の一周忌などで配られる私家本。内容は物故者の伝記や随想であることが多い。転じて団体の記念誌などを含む非営利出版物一般もさす。後にごく一部のものに限り古書価が高くなることがある。葬式饅頭になぞらえて言われる。》