急用で臨時休館に。休養ならいいけど、急用。それにしても強い西風だ。午後三時過ぎ、用事を済ませて美術館へ戻ったけど、向かい風で、自転車を漕ぐのに一苦労。ふう。休養休養。
津村秀介、『影の複合』に続く第二長編『時間の風蝕』ケイブンシャ文庫1998年初版を読んだ。1982年10月の横浜、三島市などが殺人事件の舞台。冒頭一行目。
《 女は強い西風の向こう側からやってきた。》
まるで西部劇のようだ。『影の複合』にも感心したけど、この第二作ではさらにうまくなった。時刻表のアリバイトリックの複雑さには舌を巻く。よく考えたものだ。すらすら読める文章で、列車の車中で読むには最適だろう。
なによりも面白いのは三島市がよく出てくること。『影の複合』では、
《「三島市の登記所にあたって所有主の確認もしました。」》
『時間の風蝕』では殺人の現場。
《 死体が発見されたのは、ビル建築中の工事現場で、三島駅から徒歩八分の場所だった。》
残念なのは、三島市の情景描写が極端に少ないこと。殺人現場のモデルとなった場所は推定不能。
ネットの見つけもの。東電と間違われやすい企業。
《 東京電色 東京電大 東京電制工業 東京電音 東京電氣工務店 》