名画の見方

 昨日の西岡文彦モナ・リザの罠』の流れで、西岡文彦編著『図解:名画の見方』宝島社1996年20刷を再読。やはり、面白くて分かりやすい。

《 名画はなぜ名画なのか? 見る目が身につく、超具体的な鑑賞のためのガイドブック》

 と裏表紙にある惹句、まさしくそのとおり。「較べて見たい描かれた立体感」から。

《 微細な光に満ちた豊かな丸みが、フェルメールモデリング

  明るい面と暗い面を整理して、立体感を強調するのが、シャルダンモデリング。》

 モデリングとは「立体感の表現」。

《 このシャルダンの確かなモデリングと、フェルメールの色彩とをともにとりいれた画風がミレーの特色であり、画面の人物の立体感は、その細部を省略した表現の確かな手ごたえにおいてシャルダンの、そして、そのゆったりと丸みを持った大きさにおいてフェルメールの、それぞれ最良の部分を受け継いでいる。》38頁

《 そういう意味では、絵画の描画技術の基本が、レンブラントの「闇」、すなわち陰影表現によるモデリングの限界から本質的に解放されるのは、次世紀のロココ、次々世紀の新古典主義、ロマン派、そして写実主義を経て、印象派の登場を待たなくてはならなかったのである。》176頁

 ヒエロニスム・ボッシュ「狂人の治療」1480年について。

《 当時、ヨーロッパに吹き荒れていた魔女狩りの嵐のことを考えるならば、このボッシュの視線の先駆性はまさに驚異的である。》194頁

《 この北方ルネッサンスの異才の画面に表われたキリスト教会に対する冷ややかな視線と、後に北ヨーロッパを席巻することになる宗教革命は、無縁のものではない。》194-195頁

 ネットの拾いもの。

《 今年はスーパークールビズて言っているのでスーパーで涼む。》