展覧会四日目

 昨夜は昨日書いた「柳ケ瀬ブルース」を聴きたくなり、藤圭子の処女LP『新宿の女』1970年をかけた。これに収録された「柳ケ瀬ブルース」はじつに黒い。漆黒の闇の底からぐっと浮かび上がってくる黒い砲弾の声。まさしく昭和四十年代の歌だ。戦後二十年を経て高度経済成長期に突入した日本の隠された深い影をぐいっと見せつけた三人の女性歌手、 藤圭子、浅川マキそして山崎ハコ。漆黒の三本の弾道、三者三様の軌跡。平成二十三年の世に漆黒の濡れ羽が羽ばたく……かな。(黒い妻波という言葉は、やっぱり使えない)

  漆黒の孤・慄 藤圭子

  漆黒の孤・律 浅川マキ

  漆黒の孤・立 山崎ハコ

 昨日は梅雨明けとか。きょうはじりじり暑い。酷暑。それでも十時前から来館。皆さん、滞在時間が長い。