打ちのめされるようなすごい本

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店で二冊。高橋健二『グリム兄弟』新潮文庫2000年初版、米原万里『打ちのめされるようなすごい本』文春文庫2009年初版、計210円。どちらも読まれた形跡がない。「打ちのめされるようなすごい本」とはすごい舞名を思いついたものだ。ぱらぱらと読んだけど、内容もすごいわ。

 暑いので軽く読める小説を。太田忠司『追憶の猫 探偵藤森涼子の事件簿』実業之日本社ジョイ・ノベルス2003年初版を読んだ。転職し興信所に努めて九年、三十七歳の独身女性探偵が主人公。となれば、当然さまざまな悩みを抱えている。その悩みとどう折り合いをつけ、克服してゆくか。共感すること多し。秀作だ。今まで読んだ太田忠司の小説で最も気に入った作品だ。

 我が身に引き寄せて印象に残った会話。

《「そうじゃないけどさ……でも、君に会えてよかったと思ってる。いろいろなことに気づかせてくれたから」

 「何言ってんだか」》

《「悪くないかもしれないですね」

 「君もそう思いますか。私も、そろそろ現役を退いて後進を育てるのもいいかもしれないな、と思ってるんです。」》

  ネットの拾いもの。

《 38歳無職でひきこもり、彼女はできたことないです。

  多分原発の影響です。》

《「そこで原子力新幹線ですよ。」

 「原子力ったってお湯わかすだけだからな、

  原子力でお湯沸かして走る蒸気機関車想像したよ。」》