本の谷底を歩く

 昨夕帰りがけにブックオフ長泉店へ寄る。本棚が2メートルくらいまでに高くなっていて圧迫感がある。地震がコワイなあ。狭い谷底を歩く気分。棚が上に増えたぶん、本も増えている。萩原葉子『蕁麻の家 三部作』新潮社1998年初版帯付、横溝正史『深夜の魔術師』出版芸術社2004年初版帯付、内井惣七『うそとパラドックス講談社現代新書1991年7刷、計315円。

 高楼方子(たかどのほうこ)『時計坂の家』リブリオ出版1992年初版を読んだ。ミステリアスでファンタスティックな物語といえばよいか。著者の生まれた函館をモデルにした汀館(みぎわだて)が舞台。十二歳の少女のリアルな心情がよく描かれている。

《ちょっとまどろこしい書き方ですけどね。》279頁

 と、登場人物に言わせているように、この本文にも同様の印象をもった。十二歳の少女のハラハラする哀楽がなかなか読ませるけれど、文章をもう少し練り上げてほしかった。そうすれば傑作になったかも。残念。天沢退二郎のダークファンタジー『光車よ、まわれ!』をなぜか連想。

 ネットの拾いもの。

《 「日本にはTORITETSU(撮り鉄)という自分も他人の安全も省みず鉄道を監視している集団があってだな。」

  「乗った・見た車両の番号を記録するNORITETSU(乗り鉄)という覆面調査員もいるぜ。」》

《 「新幹線でニュースにならない事故って乗車中にビールをこぼして周りの客に大迷惑をかけるくらいかな。本人的には大惨事w 。」

  「車内販売のスジャータのアイスクリームを食べようとしたけど、キンキンに冷えていて木のスプーンが折れてしまうのもある意味事故だな。」》