金額

 気になっていたこと。英語で CHAMP というとチャンピオン=優勝者、選手権保持者のことだけど、これは誰でも知っている言葉だ。AがUになって CHUMP だと、意味はうすのろ、まぬけになる。英語圏の人にカッコイイつもりでチャンプと喋ったら、どっちに解釈されるか。英語の発音がうまくないことを逆手にとって、嫌みで言うには都合がいいかも。

 『しずおか古本市』の目録が届く。古本値が大きく変動している。前世紀には値段も付かなかった女・子どもの本が高値を呼び、純文学、純芸術は底値を這う。この流れが顕著。『志賀直哉 小説選 全4巻』岩波書店1987年が2000円。『岸田劉生全集 全10巻』岩波書店1979年が4000円。函付、造本の立派な本ほど暴落。この流れは美術作品にも及ぶ予感。豪華な額に収まった豪勢な油彩画が、同じような運命=低迷への道を辿る予感がする。

 今展示中の安藤信哉の絵画の額は、ほとんどが細い木枠の仮額。金の額に収まっている絵もあるけれど、このこげ茶色の細い額(私の手作り)がいちばん相応しいと、多くの人が言う。金の額が似合う絵は……時代に取り残されてゆく、かも。

 ネットの拾いもの。

《 絵画の描き方

  古典主義…見たとおりに

  印象主義…感じたとおりに

  共産主義…言われたとおりに

  資本主義…買い手の求めるとおりに 》

《 夏休みでずっと寝ていたら、朝顔のつるが首に巻きついていた。》