暑くてもギリシャは違う暑さ

 昨日の最低気温は27度超、最高気温も35度超。そのせいか朝、自転車を走らせると蒸し風呂の中にいるような。参った参った。美術館の冷房28度がすごく気持ちいい。汗がすーっと引いていく。

 汗がすーっと引いていく音楽は、今はギリシャの歌姫 MARIANNA POLIHRONIDI の今年の歌。 人生を重ねてゆく表情が心を冷ませてくれる。ギリシャ歌謡ライカの名曲 もなかなか聞かせる。ライカ はいいねえ。

 一昨日の毎日新聞夕刊にギリシャの映画監督テオ・アンゲロプロスTheo Angelopoulos のインタビュー記事。

《「私はギリシャでさまざまな戦争、抗争を経験したが、今は未来が見えない分、最悪の時代」と語る。》

《「私たちはいつか良い時代が来ると知っていた。でも、今は次の物語が全く見えない。」》

《「西欧社会は真の繁栄を手にしたと信じてきたが、まやかしだった。いずれお金より人間同士の関係が重要だと私たちは気づき、そのとき扉は壊れる。」最初に壊れるのは地中海世界だと監督は直観している。》

《 この考えを強めたのは東日本大震災だった。被災地、原発事故の映像が、時代の大きなうねりを直観させたという。》

 左紙面の記事に対して右紙面には重松清による『「井上ひさし」という不在』。井上の未完小説『黄金(きん)の騎士団』講談社にふれて、彼は文を結ぶ。

《 『黄金の騎士団』の子どもたちは、きっぱりと言っていた。<金もうけしか考えていないやつらに負けてなるものか>──そう、負けてなるものか。断じて。》

 テオ・アンゲロプロスの映画『ユリシーズの瞳』1995年のオリジナル・サウンドトラック(エレニ・カラインドルー)を聴く。じつに寒々した静寂の風景を描き出している。その風景のなかにぽっと浮かぶ一点の灯火。

 ネットの拾いもの。

《 営業車でサボって寝てるときに「硫化水素発生中」って紙を窓に

  貼ったやつ出てこいよ。ケーサツ呼ばれるところだったわ! 》