グリーン家殺人事件

 接近する台風の影響で、降ったり晴れたり。こんな天気に源兵衛川中流では某連続テレビドラマの撮影。某女優がミレーのオフィーリアみたいなことをするようだ。緑鮮やかな三島梅花藻と白い小さな花がクールな彼女を飾るのか。そういえば、昨日来館された福山知佐子さんは源兵衛川上流部を歩いて、とてもよかった、と仰っていた。

 ヴァン・ダイン『グリーン家殺人事件』創元推理文庫1996年79版を読んだ。1928年の刊行。

《 「グリーン家」は犯罪者の周到狡知な計画に加えて異様な遺言状をめぐる偏執者的家族の雰囲気描写が卓越しており「僧正殺人事件」とならんで彼の著作の双璧をなしている。》中島河太郎「解説」

 とはいうものの、今からするとちょっと冗長な印象。分厚い小説を読んだ! という達成感はある。都筑道夫は『黄色い部屋はいかに改装されたか』で書いているとか。

《 「グリーン家殺人事件」と「Yの悲劇」を、読みくらべてご覧なさい。その骨組がそっくりなことに、気づかれるはずです。「グリーン家殺人事件」のパラノイアックの土台の上に、必然性を持った精密な論理を構築し、アクロバティックなひねりをくわえると、「Yの悲劇」が出来上がります。》

 ワカルワカル。エラリー・クイーン『Yの悲劇』は、まさしく『グリーン家殺人事件』を換骨堕胎した作品だ。

 ネットの拾いもの。

《 「緑ヶ丘小学校」とタイプしようとして「深泥丘小学校」と打ち間違える。何かこう、邪悪な。》

 ワカル人はニヤリ。綾辻行人のミステリに『深泥丘奇談』がある。泥といえば野田新首相、泥をかぶるのか、泥を塗ることになるのか。まあ、三島市が地元の細野豪志環境相に就任は慶賀。