安藤信哉展初日

 きょうは澄み切った青空と深い影。一瞬に何かが劇的に暗転するような気配を感じる。そのような気配は安藤信哉の絵には見られない。安藤信哉は西洋的な、光と影を重視して対象を描く方法はとらなかった。対象物への熟視から立ち上がってくる、彼にとっての決定的魅力を描いた。だから絵に迷いがない。具体を前提にして、考え抜かれた配置と配色、鍛え抜かれた筆触が、画面に底堅い堅牢さと重層的な奥行きと高度な統一感を創りあげている。そして鑑賞者に独特な軽やかな開放感を与える。そのさりげない離れ業に今更ながら感服。

 正午過ぎに静岡新聞の安藤信哉展取材。時間が時間だけに私一人だけ。午後、画家たちが来館。皆さんじっくり鑑賞されている。「多くの人に観てもらいたねえ」と仰られる。はい〜。画集、1500円は安いですね!とお買い上げ。うれしい。

 ネットの拾いもの。

《 「暮れマチス」と耳に入ってきて、なんだろうと思ったら、「クレマチスよ」という曲だった》

 隣の長泉町クレマチスの丘、最近行ってない。暑い時には野外彫刻を観に行く気が起きない。一月後に始まる戸谷成雄展 は見逃せない。