書斎の王様

 台風接近で雨。バスで来る。乗り降りの時は運良く小雨だったけど、その後は土砂降り、再び小雨。風雨強まる。暴風雨。

 「図書」編集部 編『書斎の王様』岩波新書1987年6刷を読んだ。いろいろな「書斎」の苦労話。

《 本書にはこの多彩な空間が登場し、諸分野17氏が、これといかに関わってきたかの苦心と秘策を明かす。》

《 機能的な書庫を持った喜びのかわりに、大きな楽しみをうしなった。本の山のなかからめざす本をさがす過程の楽しみである。思いがけないところから思いがけない本を見つけだし、かんじんの本をそっちのけにしてしたまますわりこんで、道草の読書を楽しむあの楽しみである。》大江志乃夫

《 大衆文学は楽しく読んでいれば気楽なものだが、これを研究対象に択ぶとなると、底無し沼の観を呈する。》尾崎秀樹

《 書斎に視点をすえるとき、私は地獄への道を歩いていたようだ。》倉田喜弘

《 私の蔵書表も「読むつもりだった本」と題した方がよいかもしれない。》下村寅太郎

《 今やわたしの書斎は、本を積んだり崩したりするはてしない苦闘の場になってしまった。》杉浦民平

《 わが要塞 》立花隆

《 その整理を、と毎日のように焦っているが、なかなかできない。これでは王様どころか奴隷以下ではないかと思うと筆も遅々として進まぬ。》村松貞次郎

 同病相哀れむ苦笑の連続。王様といえば、大王製紙が話題に。

《 総合製紙国内3位の大王製紙は16日、創業家出身の井川意高(いかわ・もとたか)会長(47)がグループ企業から約80億円を個人名義で借り、使途が不明なうえ約50億円が返済されていないことを明らかにした。井川会長は同日付で辞任した。》

 借金の王様だ。