鹿野島義子展五日目

 きょも十時前に来館者。皆さん、早。

 昨日取り上げた赤瀬川原平『老人とカメラ 散歩の愉しみ』実業之日本社1998年の帯、「コント集」が気になって読んだ。写真はふっくらと炊けた古米のよう。それだけでも充分美味しいが、そこにふりかけをちょっと乗せると、段違いに味が立つ。そんな本だ。コメント(説明)が大部分。コント(機知・風刺のきいた短い物語・話・寸劇)はあったかなあ。コントを読みたかったぞ。コメントもそれなりに面白いから、まあ、許す。「ゴッホモンドリアンの家」。

《 じつに迫力のある家。ゴッホでもこうは描かない、というほど屋根のてっぺんはぐにゃぐにゃで、しかし壁はきちんとした直線のモンドリアンの絵みたいで、ところが白い漆喰はばらばら剥げ落ちて、その景色が織部好みというか、抽象絵画というか。

 ぼくはこの建物を見て二重に感動しました。一つはいまいった建物の有様だけど、二つ目は、これが宮武外骨(がいこつ)の生家だということ。》

 ネットのうなずき。

《 不思議なもので、いい買い物があると、どんなに歩いてもちっとも苦にならないと言うのは、なんとも古本者の性なのであろう。》