白砂式様式美/木彫の椅子展

 展示中の白砂勝敏氏の木彫の椅子、見たことがないと深い関心を寄せるけど、毎日見れば見るほど、これは今までにない様式美を創造したのでは、という思いを強くする。

 北森鴻支那そば館の謎』は、ユーモア本格推理小説というのだろう。笑える箇所が随分ある。その一部。

《 河豚炊いてンの、素敵! じゃなかった、不倶戴天の敵。》9頁

《 生粋の京都人でさえも、その存在を知る人は少ないと陰口を叩かれる、いや陰口さえ叩かれない由緒正しき貧乏寺である。》56頁

《 上司に恵まれない部下の悲哀と部下に恵まれない上司の悲劇に、思わず溜息を吐(つ)いたほどだ。》82頁

《 しかし当山の料理についてその懸念はない。全くない。悲しいほど素朴で質素。ちょっとだけ愚痴をこぼさせていただくなら、素朴を通り越して粗末といって良いほどだ。》196頁

《 この逆噴射暴走列車を安直に利用しようとした愚かさを、我が身をもって知ることになる。それも身を切られるような後悔を伴って。僕は胸中密かに十字を切った。》204頁

 小説巧者の北森鴻、捻りの効いた科白をさりげなくすべりこませる。

《 俺の解釈するところ、バカミスとは現実を悪意と狂気で無理矢理ねじ曲げ、常識から逸脱した世界に浮かぶ犯罪とトリックを、嘲笑のロジックでもって解き明かしたシロモノであるらしい。まあ、平たくいえば「んな、アホな」と脱力するしかない小説(ミステリー)である。》177頁

 ネットの拾いもの。

《 居酒屋で、巨峰カルピスを頼もうとして、巨乳カルピスと言ってしまった。 》